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その日私が見たのは 黒い猫

特に何の変哲も無い

でも、その時私が感じたのは 違和感 だった



 黒猫fantasia




私の日常が正常じゃなくなったのは黒猫を見た次の日から。

全てが狂っていた。

人々は争い、世界は血の海と化した。

私は人だったものが無数に転がる荒野に立っていた。

体中に纏わりつく生温い血液が気持ち悪かった。

頬に涙が伝うのが分かる。

しかし、それも最早赤でしかない。

眼中に映る全てが赤に染まっていた。

その時目の前に一点の黒が見えた。

あの時の黒猫のようだった。

赤い世界にその黒は妙に映えていて美しいと感じた。

黒猫は私を見つめていた。

まるで愚かな者を見るように。


「貴様は狂えし世界に何を求める」


黒猫が尋ねる。


「何も求めはしない、求めたものは失った」


私が答えると黒猫は更に尋ねる。


「求めたものとは如何なるものか」


「平穏なる世界、変わらぬ世界。

戻らぬ過去」


答えるとまた涙が零れた。

今度は全てを洗い流すような綺麗な、綺麗な涙。


「貴様は愚かな世界に涙するか」


黒猫の言葉と共に世界は暗転する。

黒猫の姿を隠すかのように限りなく黒く。

私の涙が黒に零れるとそこから波紋のように白く、白く 世界は広がる。

そこには黒猫の姿は無い。

白の眩しさに目を閉じる。

そして、そのまままどろみへと堕ちていく。




目覚めると世界は正常だった。

また、日常が始まる。

黒猫の姿は見なかった。








神であり悪魔である創造主は黒猫を模した


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Profile
丞崎芽琉

 漫画やらアニメやらゲームが
 好きな所謂オタク
 だらだらゆるーく生きている

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